■ギョリュウ Tamarisk

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 夏飾りに是非ひとつは持っておきたいギョリュウですが、私は数年前に枯らしてしまったので、この数年改めて毎年挿し木から仕立て直しています。古いものから順にそろそろ幹が出来てきました。

 ギョリュウの挿し木は簡単なので、芽を伸ばして固まったものを挿せばほぼすべて発根します。それで試しに水挿しはどうかと水を張ったプラコップの中に挿しておいたら、気温の上がった時期ですと1週間ほどで発根を確認できました。

 それではさらに、水の中に入れたままではどうかと思い、真冬を含めて2年水の中で育てた姿がこちら。

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 地上部の芽の伸びは少ないように見えますが、何かの不調のサインも見せず、旺盛な発根を続けています。

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 もしかしたら少なくとも最初の1~2年は水耕で根を伸ばし幹の太りを与えたほうが管理が楽なのかな?と思いました。あくまでも実験段階ですけど。

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 さて、また伸びていた芽を剪定して、それ捨てずにまた水挿ししておきました。

 ギョリュウは聖書の舞台の荒野・砂漠で生きる樹で、乾いた土地でも根を伸ばして地下の水脈を探し当ててたくましく育ちます。小さいうろこ状の葉が水分蒸散を防ぐことでまわりの他の植生がすっかり枯れてしまうような乾燥の激しい季節もその緑を失うことがないと言われるほどです。そんな植物の仲間が水の中で普通に2年も生き続けていることにちょっと驚いています。

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