■ウメモドキ Japanese Winter Berry

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 今朝のウメモドキ。もうすっかり実が赤く染まっています。

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 昔は「落霜紅」と書いたようで、もちろん葉があるうちの姿も悪くないですが、「本格的な見頃というのは落葉後の寒くなってからだよ」とでも言いたげな名前です。実際私も落葉後の冬の姿が一番雰囲気があると感じます。

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 私が初めての名品展で冬の飾りに挑戦した時にもウメモドキがありました。このウメモドキは私が挿し木したもので、約10年同じこの鉢で育ってくれましたが、今年の春に芽吹いてくれず、枯れてしまいました。私の先生は、「小さな盆栽を10年もたせたらたいしたもんだよ」とよく言っていましたが、2~3センチの鉢で小さい樹のまま10年、よく生きてくれたなぁと思っています。黙祷。。。

 そして栄養繁殖のできる樹種だからこそですが、この樹にはさらに数年古い親木が今も生きてくれています。親木が生きてくれている限りは遺伝子が絶えないのです。この記事の1枚目、2枚目の樹も同じ遺伝子の樹なのです。良くなってきた樹を愛でつつ、次の世代用に新しい挿し木をして、次に命をつなげておくわけですね。

 ウメモドキは基本雌雄がありますが、花付き実付きも良く、針金に頼らずとも自然な樹形を楽しむことがしやすいので、お勧めしたい樹です。樹形としては、この樹は灌木ですので素朴な灌木らしさがあると面白くなると思います。経験として、基本挿し木は簡単なのですが、中にはなかなかうまくいかない個体もあるようです。