■椿 Camellia

f:id:tokyobonsai:20211124213031j:plain

椿(港の曙)

港の曙...まず、名前が残念なのは間違いない。しっかり日に当て肥料をあげて管理した親木から夏頃挿し穂をとって挿し木をしている。大きな鉢で育った勢いのある樹から挿し穂を取っても若々し過ぎてすぐには豆盆栽としてしっくりこない。なので発根のあと小さな鉢へ植え付けてジリジリ、ジリジリと育てる。

結局、ジリジリと育てた樹はより早く自然さと古さをまとい始める。一気に伸びた部分は長い時間若々しい。

 

上の画像の椿は「港の曙」という品種で、椿の園芸品種「関東月見車」と沖縄県西表島奄美大島に自生するルチエンシス(姫山茶花)の交配種とのこと。ご覧の通り、小さくとも花着きが良い。

f:id:tokyobonsai:20211124213040j:plain

まだ挿し木後2年程だが、細い体でしっかり花芽をつけている。

f:id:tokyobonsai:20211124213035j:plain

椿といえば、過去には出雲香という品種もやった。

f:id:tokyobonsai:20211124214408j:plain

2015年1月の名品展の私の席。

f:id:tokyobonsai:20211127005527j:plain

南天、雀の槍。

f:id:tokyobonsai:20211127005541j:plain

姫月見草、真柏、香炉。

f:id:tokyobonsai:20211127005601j:plain

真柏。

f:id:tokyobonsai:20211127005616j:plain

香炉。

f:id:tokyobonsai:20211127005639j:plain

姫乙女バラ。

そして右端が出雲香。

f:id:tokyobonsai:20211124214424j:plain

春を待ちわびる情景やまた縁起ものとしても扱われる樹に梅があるが、多くの方が言う通り、小さい梅を枯らさずに維持するのはとても難しい。そして繁殖には接ぎ木という縛りもあり、最近では梅の小さな素材木の流通もかなり限られている。

そんな理由から、梅はもう、ゆるりとのびのびたのしんで、小さい盆栽では代わりに椿はどうかと考えている。根の成長は遅いが、挿し木も可能で持ち込みも梅に比べたら丈夫だ。

今日また新しい椿の品種「春待姫」が届いた。名前がいい。

来年からはこの春待姫を増やして、小さく咲かせて楽しめる豆盆栽を目指したい。