■レンギョウ Forsythia

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 私が初めて育てたレンギョウは公園の植え込みの挿し木でした。植え込みの中でたくさんの花を咲かせていたので当然花着きが良いだろうと思って育てましたが、小さな鉢の中で何年か待っても一向に花を咲かせる気配を見せませんでした。挿せば着くので数ばかりが増えてしまいました。

 そういうものかと思っていましたが、その後お店で売り物としてのレンギョウを買うと、この通り、小さくとも、挿してすぐのものでも、簡単に花をつけてくれます。

 やたらにその辺の樹を挿して増やすのも楽しいですが、そういった樹が花も咲かせずに棚のスペースを圧迫することに覚悟は必要です。

 ちなみに私が20代の時に蒔いたリンゴのタネは、今に至るまでその後約20年間、花ひとつ咲かせていません。

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 今年植え替えて植え付け角度を調整したので、少し花の角度が変です。レンギョウは太い根をこれでもかと言わんばかりに伸ばすので1年で自分自身を鉢の外へ押し出しそうな姿になってしまいます。そのため、植え替え頻度は多くなります。

 写真の樹は挿し木してまだ2年位だと思います。まずは伸ばしては切り戻すを繰り返しながら足元をしっかりさせていきます。立ち上がりに曲と安定感を持たせ、あとは軸のラインと最小限の枝で見せる。最小限の枝で。

 そういう盆栽もあることを私は盆栽会で学びました。ある人はそういった美意識を「東京ローカル」と呼びました。

 

Veruca Salt - Forsythia (1994)

 ジャケットがおしゃれ。私にとってとても楽しく切ない時代の、忘れられない思い出のアルバム「american thighs」から。ここでのForsythiaは人の名前だというライナーかインタビューを読んだような。