■サイカチ Japanese Honey Locust
10月に作成した第44回東京支部展写真帳に私が応募したサイカチの写真。このサイカチは10年前に近所の井の頭公園に生えるサイカチのタネを実生したものです。
サイカチをやったことがある方がいらっしゃれば実感としてご存じかと思いますが、サイカチは小さな盆栽に向いた樹種ではありません。喬木の性で成長の勢いが強いのに、枝は分岐せずまったく育ちません。そして幹が緑のままでなかなか古くなりません。そんなサイカチを小鉢で何年か持ち込むとやっと少し樹勢が落ち着いてくるという。
そんなサイカチのタネを10年前に拾った聖地へ再び赴きました。
偶然にも時は枝先にサヤがぶら下がる季節。この不気味な姿に心は踊ります。そして足元にはたくさんの巨大なサヤ。
この腐ったバナナの皮みたいなサヤに小豆ほどの大きさのタネが入っています。
こういう盆栽に向かない樹種を何年も、ましては馬鹿みたいに10年も相手をしていると、限りある棚で余計な場所を使うことになります。盆栽界で高みを目指すのなら、そして私のような、酒浸りの、惨めでいたたまれない盆栽生活を避けたいのであれば、この道は絶対に踏み込んではいけません。
さあ、その手に持つタネを捨てるんだ。