■バラ Rose

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 このバラがどういった品種なのか、少し記憶が曖昧になってしまっています。今まであまりにたくさんの樹を増やし過ぎて、それに年月が加わり、そんな樹が増えてきました。でも、バラで私が今までに増やした品種は限られているので、おそらくこれは「吉田バラ」という品種で、その実生か挿し木でしょう。

 バラは奔放に生きるところに「らしさ」があると思うので、あまり樹形を整えなくても良いと思って仕立てています。なんとなくの樹姿に、流れがあって、そこにいくつかの実が成れば大満足、というような感じ。そして樹がそこまでの段階まで来たら、刃物での手入れは秋か春に一度しっかり切り戻すだけです。

 でも当然ただ育つままにしておくだけでは盆栽にならないので、全体の樹勢の偏りがあればちゃんと整えて、うまいこと誘導していくわけですね。針金を使わない私の感覚としては、誘導する感じというのがしっくりきます。

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 うちで扱うバラの品種に関しては、私の盆栽は極小さめですので、基本的に大きさに見合ったものを選んでいます。吉田バラ以外にはもっと小さい類の極姫バラ、あとはここ数年で出回った山陽バラなどですね。

 花も実も楽しめて、樹皮も古くなりやすく、飾りの中では里の樹として活躍してくれる、けっこう働き者の樹種です。