■ムラサキシキブ Japanese Beauty Berry

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 開花中、棚の片隅で身を寄せ合ってもらっているムラサキシキブ

 個人的には小さいムラサキシキブの樹をちゃんと形にして、枝の基の方に花を咲かせて、それを実にするということはけっこう難易度が高いという印象です。なのでそれが出来ている樹をみると、「むむ、やるな...」と感じます。

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 この樹も、樹姿、植え付け、共にまだまだこれからの状態。でも今年はめずらしく枝の基のほうに花が咲いてくれたので、交配を試みてみましたが、どうでしょうか。

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 ムラサキシキブの交配に関してはうちではあまり成績が良くないので自信がありません。とりあえず自家受粉だけでは頼りないので、盆栽大野さんが自宅そばで見つけたというとても花付きの良い性のムラサキシキブの花粉に頼ることにしました。

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 この性は本当に花付きが良い。でもまだ実までいったことがないんです。

 そのため改めて調べていたら、ムラサキシキブの受粉に関する面白い記事を見付けました。

 つまりこの記事によると、ムラサキシキブの花粉が入ったやくは上部が開く仕組みで、多少風に吹かれたところで花粉は飛びにくく設計されているらしい。そして雌しべは横方向へ逃げて伸びる。これは私もずっと疑問に思っていました。このような特徴のある花は蜂の羽ばたきの振動で受粉をする植物の特徴であることが多く、ムラサキシキブマルハナバチという蜂の羽根の振動に共振して花粉を出すそうです。

 蜂か~。うち、東京砂漠の5階だしなぁ~。

 

 というわけで取り寄せて着てみました。

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 戦闘服と呼べるこの衣装を身に着けて、何か大切なものを失った気がしないでもないですが、深く考えないことにします。とにかく実を付けることに集中。

 あとは振動、振動っと。