■ニシキギ Winged Spindle Tree (Euonymus alatus)

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 ニシキギの枝には翼(よく)が発達して、繊細さに欠けますが、この姿がワイルドで良いんです。葉姿は無骨ですし、野暮ったいなぁと思いきや、秋には美しい紅葉を見せて急にお洒落になるという。これには、いつもはジャージで筋トレに熱中する男友達の、ある晩背中がばっくり開いた真っ赤なロングドレスで着飾る姿を見てしまったかのような、そんな新鮮な驚きを禁じ得ません。

 このニシキギの特徴としては、ニシキギは小さい鉢で持ち込むと翼が消えがちなのですがこの性はしっかり枝に現れます。私は盆栽の造形的な完成度よりも「その樹らしさ」を求める類の人間なので、この性のニシキギは気に入っています。

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 特にわざわざ交配をしなかった花が、今年はそのまま落ちずに残っていますが、これは勝手に受粉したと見てよいのか、ソワソワしながら見守っています。

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 この鉢は私が一時期こっていた、鉢のボディに釉を象嵌したような姿になる形の鉢。

 豆鉢は物理的にどうしても普通の焼き物よりも釉を薄めに掛けざるを得ないのですが、そうすると釉の奥行きを十分楽しめなかったりします。ですがこの鉢はボディに溝を掘って手作業で釉を厚く盛っているので、部分的に釉が厚く掛かっている状態になっています。

 はい、当然焼きに失敗して釉が流れ出たものもあります笑。