■スギナ Field Horsetail

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 私が小学生の頃の夏休みは、毎朝起きてまず生き物を採るための巡回ルートをまわるというのが日課で、空き地や土手、公園から人様の家の敷地だって平気で入り込んでいました。そしてその頃に自分の五感に刻まれた記憶は大人になっても消えません。

 盆栽をやっているとその頃の記憶と出会うことも多く、また、時には自らその頃の記憶を手繰り寄せているかのように感じる時もあります。

 私が小鉢でスギナを育てているのは多少そんな意味もあり、もちろんあわよくば小鉢でツクシを拝めるか?という気持ちと共に、子供の頃人気のない炎天下の原っぱでスギナをかき分けバッタやカナヘビを探したな...というような追憶の世界をふとした時に味わえるんですね。

 スギナは一度侵入を許すと駆除が困難といわれるいわゆる雑草の類で、盆栽愛好家さんでもおそらくスギナを鉢で育てている方はほとんどいないかと思います。ですが私は空き地や野原のイメージで薄い鉢に植えて夏に飾るのがちょっと好き。夏の草原の匂いがむんと鼻に入ってきそうで、急な雨の降り始めには砂っぽい匂いがしそうで、いい。

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 植えている鉢に関してはこちらの記事に。