■ヘビイチゴ False Strawberry

草盆栽の醍醐味

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 春の前半は黄色い花が多いです。このヘビイチゴなど鉢まで真っ黄色のものに入れてしまっているので、相当馬鹿っぽく映ります笑。。今度何かほかのものに替えましょう。

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 こういった草、ただそのまま盆栽棚から出しているわけではないんです。

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 何も手を出してない状態はこんなでした。でもこんなボディビルダーみたいなポーズじゃ全然興奮しないので、まず正面をどこにすると流れと奥行きが一番良くなるか、じっくり見て考えるんです。

 写真だと奥行きって出しにくいですが、樹と同様になるべく奥行きはあったほうが景色が良くなります。また、飾るにあたって流れがとても重要な意味を持つのと同時に、時に流れというものがその樹の植生の物語を語ったりもします。それは草も同様で、草もしっかりと、あるいはほんのりと、その流れを感じさせる景色にします。その景色がどこかにあるのか、それを探すのが草盆栽のたのしさのひとつなのです。好き勝手やらせておいて、見頃の時期にどこが最高の景色か正面を探す。はい、これが楽しいのです。

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 このヘビイチゴの今の正面はこちら側と決めました。裏側にまわったもう1本のランナーは邪魔になるので切ってしまいます。せっかくの花がかわいそう?野に咲く花はそんなにヤワじゃありません。

 鉢の中という限定した空間で好きに生きてもらい、ここというタイミングで一番美しいと思える景色を探す。これが草盆栽の醍醐味のひとつだと思っています。そのひらめきがとても心地良いのです。