■たんぽぽ Dandelion

 春の草は私たちの悲しいくらいに乾き切ったズタボロの心に温かい灯をともしてくれますよね、うん。今回はタンポポ。誰にとっても身近かなタンポポは子供時代の記憶とも重なり、郷愁と共に新しい春を知らせます。

 盆栽界でも、タンポポは昔から特に季節の自然の素朴な風情を好む方から愛されてきました。うちの会(日本小品盆栽協会)の創設時の中心メンバーで小品盆栽の普及に大きな役割を果たした俳優の中村是好氏もその著書に竹本鉢に入れた千島タンポポを載せています。

 私のタンポポとの出会いは2012年の伝統園芸フェア。当時は日本小品盆栽協会として3月に上野グリーンクラブで開かれるこの展示会に協力していて、私も何度か出展させていただいていました。この時のT屋さんのタンポポにはびっくりしました。

 当時の記事、よろしければ下のリンクからご覧ください。

 今になって、あたかも他人事のように改めて自分の記事を読んでみたら、なかなか面白く書いていて、それほど盛況な展示会ではありませんでしたが←、是非行ってみたくなりました。他人事のように。

 片付けの際、T屋さんを囲んで、盆栽O野さん、S崎さん等と日高タンポポ談義。 T屋さんのこのタンポポ、葉が1センチ位でした。2012_0325_140003-DSCF5292.JPG
 葉の切れ込みが、なんとも可愛らしい。
 子供がどこで覚えたか大人びたことをいう可愛らしさ・・・みたいな。 会期中は咲きませんでしたが、見るとしっかり、小さなつぼみがついていました。
 鉢がゆるいともっと大きな葉になるらしいのですが、これはもう鉢パンパン。(素敵な鉢でした)
 その分花は咲きにくくなったり、咲いても早く落ちてしまうようです。
 O野さんが株分けをすすめても、T屋さん、株分けしたら葉が大きくなってしまうと、キッパリ。
 さすが極小サイズに魅せられた魂・・・参りました。
 写真で感じるよりも実物はずっと小さいのですよ。

  

  えっと、話を戻します。

 その後私もタンポポに興味を持ち、そして盆栽では夕張タンポポや日高タンポポと呼ばれる北海道の高山のタンポポ(いわゆる高嶺タンポポの部類か)をよく使うということがわかり、早速うちへ招いたわけですね。

 とあるサイトによるとタンポポの開花期間は約3日だそう。朝に開いて夕方には閉じるそうですが、光と気温が必要になり、展示会場では光が不足するので花が開かないこともあり、複数のタンポポを交代で飾る、なんて話も伺ったことがあります。

  さて、私のかわいいタンポポたち、カモン。

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 自作の半磁器に入れています。

 ちゃんとツボミも着いています。わくわくしますね。

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 うちの可愛いベイビーたちはもう5年以上枯らさず持ち込んでいるので、葉もだいぶ小さくなっています。普通に育てると葉はもっと大きいです。

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 こちらのベイビーはコーヒーフレッシュの鉢に入ったもの。こちらもちゃんとツボミをつけてくれていますね。いい子だ。

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 こちらは鉢が小さすぎて根上がり状になってしまっています。

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 タンポポの良さを引き出す植え付けではないので今度別の鉢に移そうと思います。

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 この鉢の大きさでもツボミをつけてくれていて、私の管理のすばらしさに感動しました。←?

 タンポポの根は大根のような感じなので、少し深さのある鉢に入れるのが良いと思います。しっかり日に当てて根に栄養をたくわえてもらうことで花芽をもたせます。なんと、これだけ小さくなっても、このタンポポはけっこうしっかり普通サイズの花を咲かせるんですよ。

 

 まったく、あんたも好きねぇ...