■タイトゴメ(万年草)

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 我が家にはこのタイトゴメ(万年草)が数鉢ある。もともとどういう経緯でうちに来たか。

 ずっと昔に東京支部で埼玉の某盆栽園さんへ出かけた際に、その棚の上に放置された形で一蒼鉢の中でカラカラになったこの草を見付けた。以前から私の先生であるT屋さんが飾って見せていただいていた草だったので興味があり、値段を問うと園主は複雑な渋い顔をして「鉢代でいいよ」と言われてしまった。

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 そうやって放置されても平気で生き残れるほどの生命力を持つこの多肉植物の見所といえば、やはり赤くなって寒さに耐えるこの姿。枯れた感じがとても良く、飾りでも良い脇役になってくれる。

 そして、その並外れた丈夫さを大いに役立て、少々管理の難しい、個性的な鉢との鉢合わせで見せることができるという良さもある。

 上の画像の鉢などは、実際焼くことなど考えずに、他の鉢を作った際の余りの粘土カスをこねて成形しただけのものを私が焼いた鉢。普通の草では使っても枯らしてしまうような作りだ。鉢には、枯らしやすい作りというものがある。手前味噌に聞こえてしまうかも知れないが、そんな鉢をもって、鉢と草、お互いが輝く場所を得たような、そんな気がする。

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 過去の画像を確認して気が付いたが、もともといたミセバヤが姿を消していた。過酷過ぎたか...

 樹との鉢合わせも楽しいが、草の鉢合わせもまた楽しい。草の姿自体は自然に任せるぶん、鉢合わせがより効いてくる。

 こんな遊びもできる。

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尻。

これは遊び過ぎ笑。でも、作りたくなったら作るのがいい。そんな時、かたっ苦しいことを言うのは無しだ。